症例報告  コロナワクチン接種後後遺症

  コロナワクチン接種後後遺症  60歳  女性

 半年前にコロナワクチン(3回目)接種。

翌日、頭痛と発熱(38℃)発症。

すぐに常備していた鎮痛剤と解熱剤を服用し、症状は緩解。

一週間が経過した頃、急に両耳の聞こえが悪くなり、両目が

夕方になると見えづらくなり、頭部のモヤモヤ感が出現するようになった。

すぐに耳鼻科と眼科受診するも大きな異常なし。

ワクチンとの因果関係は不明とのこと。

 遠方の知人の鍼灸師に相談すると鍼灸治療を勧められ、

インターネットで当院を見つけ来院。

 もちろんコロナワクチン後遺症に効くツボなんてのは存在しないので

治療は免疫を高める治療と局所の治療を中心に鍼灸治療を行いました。

 症状は一進一退でなかなかすぐには回復しませんでしたが、

二ヶ月が経過した頃から徐々に耳の聞こえが良くなり、頭部のモヤモヤ感が

治まってきて、視界も徐々に広がってきました。

半年が経過した現在、症状はまだ完全には取り切れていませんんが、

スコアは10⇒3レベルとのことで治療は継続しています。

  ブレインフォグについて

ブレインフォグとは、頭の中が霧(フォグ)がかかったように

ぼんやりした状態になり、集中力、思考能力が低下することです。

医学的な病名ではなく、一般的に症状を表す言葉として

使われるようになっています。

 コロナウイルス感染症の後遺症やコロナウイルスワクチン接種後の

後遺症として最近注目されているようです。

 症状は認知機能の低下、頭痛、抑うつ気分、意欲低下、

疲労しやすい、記憶力の低下、頭のモヤモヤ感などがあります。

この患者さんもブレインフォグに該当するようです。

 治療はクリニックさんでは生活習慣の改善(睡眠、休息、食事、水分)、

磁気刺激療法です。

 東洋医学の臓象学説では「腎が蔵している精が髄を生じ、髄が脳を養う」と

あります。すなわち腎精が不足して脳髄の栄養状態が悪くなり、

めまい、耳鳴り、記憶力の低下、思考力の低下、頭部のモヤモヤ感が

起こると考えられています。

ここでいう「腎」とは単なる腎臓だけでなく生命力全般を指します。

よって腎を高めるような治療をすることで、生命力が高まり、

免疫力を高まることによって、ブレインフォグや原因不明の難病にも

対応できるのではないかと考えています。

 

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