症例報告  顔面神経麻痺

      顔面神経麻痺  38歳   女性

 

 二ヶ月程前より朝起きたら、急に右顔面部が急に動かなくなった。

すぐに神経内科受診し、「右顔面神経麻痺」と診断される。

ステロイド点滴を毎日行い、麻痺は徐々にマシになってきてはいたが

まだまだ日常に支障をきたしているので、知人の紹介で当院受診。

 初診時の評価では、味覚障害はありませんでしたが、

「額のしわ寄せ」不可     「片目つぶり」不可

「鼻翼を動かす」不可     「頬をふくらます」不可

「口笛」    不可     「イーと歯を見せる」不可

「口をへの字に曲げる」一部可   「強い閉眼」不可   「軽い閉眼」一部可

とかなり重い状態でした。

治療は元々肩こり・頭痛があるので、その施術と麻痺している側を中心に

鍼灸施術を行いました。

来院当初は閉眼できない為、眠れなかったのが、施術ごとに閉眼できるようになり、

睡眠が取れるようになりました。これでかなり治癒のスピードが上がりました。

又、飲み物を飲むと口から溢れていたのが、しっかりと

飲めるようになりました。

1週ごとに治療を行ない、念の為、神経内科の受診を勧めると、

状態はよくなっているので、「オペの必要性はなし」とのこと。

(2割の方が後遺症が残る可能性がある)

現在、強い閉眼と口をへの字に曲げるのが、もう少しなので

治療は継続中です。

朝起きたら、どちらかの顔が急に動かなくなる顔面神経麻痺。

びっくり仰天されるかと思いますが、この疾患は

初期治療がとても重要になります。

できるだけ早く耳鼻科か神経内科の受診をお勧めします。

多くはステロイドの点滴で良くなりますが、完全に治りきらない

場合は鍼灸治療も選択肢の一つとして考えていただければと思います。