症例報告 逆子 35歳 女性(妊娠32週)
3週間程前から、妊婦健診で逆子と診断され、
指導された逆子体操をしていたが改善されず、知人の紹介で当院受診。
治療は古くから有名な「至陰の灸」(足の小趾の爪の外側)と
三陰交(足の内くるぶしの上)に直接灸を行いました。
週に1回来院していただき、それ以外の日はせんねん灸を購入してもらい、
ツボの場所をお伝えして、自宅で毎日お灸を行ってもらいました。
2週間後、産婦人科の検診にて正常胎位に戻っていました。
あるデータによると、逆子の頻度は妊娠21~24週は39,2%、
25~28週は30,2%、29~32週は22,0%、33~36週は13,6%、
37週以降は4,3%に激減することから、元々正常胎位に誘導するなんらかの
機序が存在すると想定されています。
特に妊娠中期から末期にかけての子宮腔の形態変化が考えられており、また
胎児自身も胎動により自己回転して子宮腔と胎児との形状が安定する
頭位になると考えられています。
その上に逆子のお灸をすると臍帯動脈、子宮動脈の血管抵抗が
低下するというデータがあります。
血管抵抗が低下すると子宮への血流が増加し、子宮がゆるんで胎児が
回転しやすくなるんじゃないかと考えられています。
実際、自宅でお灸をしてもらった直後はいつもより
よく動いていたとのことでした。
この患者さんは2回で逆子が戻ったので、現在は逆子の灸は行わず、
安産灸をしています。
この安産灸を行うと陣痛が短く、比較的楽な出産ができる傾向にあります。