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症例報告 アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎 54歳 女性
25年程前より、全身にかゆみと湿疹が出現。
すぐに皮膚科に受診し、「アトピー性皮膚炎」と診断される。
かゆみ止めとステロイド軟膏を処方され、以降緩解と増悪を
繰り返す。
増悪因子はストレス、ハウスダスト、梅雨時の湿気、睡眠不足、
暴飲暴食、低気圧時の頭痛 etc
この方は元々大阪出身の方で、当時大阪の鍼灸院で鍼灸治療を受け、
症状は一旦治まったとのこと。
しばらく症状は安定していましたが、奈良に移住してきてから
環境の変化の影響か?症状は増悪してしまいました。
自宅近くの鍼灸院で鍼灸治療を受け、症状は安定していましたが、
その鍼灸院が諸事情で閉院することになり、治療が
受けられなくなり症状がまた再燃。
近くでアトピーの治療ができる鍼灸院を探していたら、
インターネットで当院を見つけ、来院。
アトピー性皮膚炎と言っても、症状は人によって本当に様々で
軽い方もいれば、重い方もいるし、湿疹の部位が全身に及ぶ方もいれば、
ある部分に限局する方もいます。
一般的には、膝裏や肘の関節、首などにできやすい傾向に
あると思います。
この方は手足で特に手が切れて、出血し、水もしみて触れず、
ひどかったです(写真上参照)。
治療方針は湿疹の改善というよりは、痒みさえ出さなければ
症状は治まるので、いかに痒みを出さないかということを
主眼に置きました。
東洋医学の概念に「水毒」というものがあります。
特長としては、梅雨時や台風前の低気圧時に体調を崩しやすい、
または症状が悪化しやすい、顔や手足がむくみやすい、
全身が重だるい、お腹を押すとぽちゃぽちゃと音がする。
痰や唾の量が多い。 etc
要するに水分代謝が悪く、体内の水はけが上手くいかず、
体に何らかの不調をきたしている状態をいいます。
この方もこれに当てはまり、またそういう脈をしていました。
よって、全身の湿を取り除きつつ、血の循環を良くするよう
鍼灸治療を行いました。
治療は2週間に1回程行いました。
もちろん症状は一進一退ですぐに改善するとは思いません。
しかし、半年が経過した頃、手足の切れがなくなり、
洗い物をしても大丈夫となりました(写真下参照)。
アトピー性皮膚炎は地獄です。
なぜこんな事を言えるかというと、私自身が数年前まで
死ぬほど悩んだからです。
しかし、地道に自分で鍼灸治療を行い、食生活の改善や
様々な事を実践して長い時間をかけて薬を使わずに改善していきました。
今では見た目、元アトピー患者と分からないと思います。
体質はすぐには変わりませんが、正しいことを実践すれば、
必ずいい方向に変わると断言できます。
あなたもあきらめないで
いっしょにがんばっていきましょう。