症例報告 右足関節捻挫 11歳 男児
3日前、学校で友達と話しながら歩いていたら、階段を3段目から踏み外し、
右足関節を内返しに捻り受傷。
しばらく自宅で湿布を貼って様子をみていたが、歩行時の痛みがひかず当院受診。
この患者さんは少年野球をしており、ポジションはピッチャーとショートで
5日後の大事な公式戦に出場したいとのこと。
所見では腫れと圧痛は軽度でストレステストも陰性だったので、軽度の捻挫と
判断し、試合前にテーピングをすれば大丈夫ですよとお伝えしました。
この日の治療は患部の消炎、鎮痛を目的にアイシング、超音波治療、テーピングを
行いました。その後は歩行時の痛みはなく歩いて帰れました。
試合前日に来院していただき、足関節にホワイトテープを施しました。
翌日、念のため来院していただくと、痛みは若干あったが(ショートで出場)
問題なく試合でき、勝ったとのこと。
3日後に来院していただくと腫れと痛みもほぼなかったので、これで終了していいと
思いましたが、次の土日に連戦があるので、再度テーピングを試合前日に施しました。
その翌日に来院され、腫れと痛みもなく試合ができたので、自宅でできる捻挫予防の
リハビリをお伝えし、終了としました。
一般的に骨が異常なければ、「捻挫」と診断され軽視されがちです。
しかし、初期治療とその後のリハビリをしっかり行わなければ、足首の
不安定性を生み、小石を踏むなど、ちょっとしたことで捻挫をしてしまう
いわゆる「捻挫ぐせ」の状態になってしまいます。
その不安定性の足首から歩き方や、体の使い方が狂い、膝、股関節、腰から
全身に影響するのはよく見受けられます。
また大人になっても、学生時代の捻挫が腰痛や膝関節痛の原因になっていたと
いうのは、よく調べると結構遭遇します。
「たかが捻挫、されど捻挫です」
捻挫は初期に適切な治療をすれば後遺症は残りません。
その後のスポーツを楽しめるようしっかり治療していきましょう。